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会長メッセージ

「我々は一体どこに向かっていくのか」

 

2017年8月にフェンシング協会の会長に就任することが決まったとき、真っ先に私の頭の中に思い浮かんだことです。

 

これまで、「金メダルをとる」ということを最上位の概念として運営してきましたが、現役時代、私がメダルを獲っても、フェンシングの競技人口は思いのほか伸びませんでした。確かにフェンシングの認知は上がったかもしれませんが、人気が出たわけではなかったのです。そして他の競技団体の数字も参考にしながら、様々な仮説・検証を繰り返した結果、強ければ競技人口が伸びるというわけではないという結論に至りました。

こうして、勝利至上主義から脱却し、強化だけに偏らないバランスのとれた協会運営を目指していくことにしました。さらにその過程で、フェンシングという、中世の騎士たちによる剣術を起源とする歴史のあるスポーツを、敢えて「ベンチャースポーツ」と表現し、既存の概念や枠組みにとらわれることなく、機動力を持って、前に進んでいくことを誓いました。

フェンシング界は、本来持っている高貴な精神性と、時代に先駆けるベンチャー精神の元、日本スポーツ界のロールモデルになるべく改革を進めながら、日本の社会に感動を提供するとともに、その先に新しい価値を創造してまいります。

 

競技人口5万人、そして生涯スポーツへ

2018年11月時点の競技人口は6千人ほどです。我々はこの競技人口を5万人にするという大きな目標を掲げています。そのためには、これからフェンシングを始めようとする人たちに対して、いかに敷居を下げて馴染みのあるスポーツにしていくのかが重要になります。このため、「フルーレ」「エペ」「サーブル」という種目に加えて、新たに4種目を設ける提案を日本から発信することも検討しています。また、選手登録料が高いという課題に対しても、段階を経て対処していくことを考えています。

フェンシングは、男女でも試合ができ、おじいちゃん、おばあちゃんと孫が勝負することだって可能なスポーツです。いつかフェンシングが性別を超え、世代を超えて、生涯に渡り、長く楽しんでもらえるスポーツになることを夢見ています。

 

満員の会場で試合ができる競技へ

我々は、満員の会場で選手が最高のパフォーマンスを発揮することを「アスリート・ファースト」と定義し、強化と集客の両面に力を入れてきました。外国人コーチの招聘やアナリストの採用、海外遠征や強化合宿の実施などにより、今まで以上に競技に集中できる環境を整えました。また、私が会長に就任した直後の2017年全日本選手権では、それまでの枠組みを大きく変え、全ての決勝戦を最終日に集約することにより、集客率の向上に成功しました。さらに2018年の全日本選手権では、会場を東京グローブ座に移し、いままでにないエンターテインメント性を押し出したイベントに変貌を遂げようとしています。

 

人事体制を構築、そして改革本番へ

日本フェンシング界を改革するためには、スポーツビジネスの新たな姿をゼロからつくり上げ、収益事業を増やしていくことが重要です。これらを実現するために必要なビジネス人材と資金の不足を解決するために、我々は副業・兼業限定で外部からビジネスパーソンを受け入れ、意思決定とその執行に組み込むポジションを用意しました。この人事戦略が、フェンシング協会の改革をさらに加速させていくことでしょう。

 

 

公益社団法人 日本フェンシング協会

会長 太田 雄貴

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